医局に所属して働いているドクターの中には、医局を辞めたいと思案するようになる医者も少なくありません。
円満に医局を辞めるためには何をすべきかについて、お伝えしていきます。
まず、医局を辞めて転職をする医師の要因で一番多い理由は、「家庭・暮らし事情」です。
このように医局にいる事で享受できる良いところもあります。
そこまでしても医局を辞める所以には、以下のようなものがあります。
人間関連一般的な市中病院と比べると、医局は所属している医師数が多い事がほとんどです。
もちろんすべての人と関わりを持つわけではないのですが、必然的に幅広い人達と接することになります。
そんな中で出世をしていくためには医局の上位層と良好な関係を築くことが必要となり、医局内でのグループ・派閥といった人間関係に居づらさを感じて大学病院を離れる医師もいるようです。
担当オペ数に制限がある大学病院には多くの医師が在籍しています。
それに反対に患者数は限られているため、自身が要望する症例を経験できない事も多くあります。
ある分野に対して専門性を深めたいのに、経験が積めないということから医局を辞めることを要望してしまう事があります。
人事異動によるもの分院、または関連病院などへの異動があることもあります。
派遣先が近隣であれば大した負担になりませんが、遠方への異動で引っ越しを余儀なくされる事もあります。
結婚、出産といった世帯の問題や、腰を据えて地域医療に取り組みたいという思いの強さから、大学病院を離れる医師は少なくありません。
年収が低い俗に大学病院の給与水準は、ドクターの中でも低い傾向にあります。
教授職になってやっと1000万円代後半という事例もあり、フレッシュなドクターでは1000万を下回る事も珍しくないのです。
それ故週に何回か、市中病院でアルバイトをする医局医師もいます。
根本的に大学病院は給与が低いため、よりより待遇を求めて市中病院に転職を要望するケースもあります。
医局内の立ち位置が分かってきた医局に所属する医師は、40歳前後でざっとは自身がどの程度出世可能なか把握できます。
教授職を望んでいたのに、その確率がない事を悟った時に転職するドクターが多くなります。
転職活動の流れとしては、先に転職先を探し、医療機関から要件を出してもらった後に対比見定めし如何にするか決断した後に、退局の意志を伝えるのが一般的となります。
「医局にいられなくなった」などで医局を辞める事が決まってから転職の相談をいただくケースもありますが、その時転職先を急いで探す必要が出てきます。
特に「医局に残るかどうか迷っている」ケースは、転職する選択の余地と「医局に残る」という選択の余地を十分に対比する必要があります。
それ故、転職先から年収や勤務時間・日数、業務中身などの前提を出してもらった上で、如何にすべきか決心として固めておく事が退局時には必須です。
退局を伝える機会は早い方が良いといえます。
早く伝えておくことで、退局後の医局人事のすり合わせもつきやすくなります。
いきなり「3か月後に辞めます」となると、医局での人事のすり合わせもつきにくくなるため、必死に引き留められる確率も高くなります。
ギリギリの機会で退局を伝えたことで強い引き留めを受け、転職先の医療組織にも話が伝わって転職が破談になったり、転職時期が1年後ろ倒しになったりする時もあります。
そのため、半年から1年ほど時間的なゆとりをもって伝えておく事が望ましいといえます。
退局に関しても、わりと解釈のある教授もいれば、冒頭のケースのように権威をもって厳しく扱ってする教授もいます。
退局に関して不安があるケースには、率直に転職先の院長などに話し合いする事も一つのテクニックです。
これは、退局に関する具体的な助言を獲得できるという事もありますが、あらかじめ転職先との信用係りを深めておく事で、よしんば退局時に医局ともめたとしても、味方になってくれやすくなるという良い面もあります。
大学医局や教授の立場からすれば、退局の話を積極的に進めたとしても特にメリットはないため、このケースは自発的に退局に向けて動いていく不可欠があります。
?退局交渉で上手に進まないケースには、既に退局した先達やアドバイザー、転職先の医療組織に早めに話し合いすることで落着を図っていくことをベストチョイスします。
????医局との関連をパーフェクトに断ち切る以外の解答もある?医局人事からは離れて転職するとしても、教授や医局との関連はなるべく円満に保ちたいという希望も多々あるです。
医局によっては持て余す事もありますが、実のところに医局（同門会）に籍は残しつつ転職する事例や、転職後にも週1回大学へ外勤に行く事例など、医局との結びつきを残しつつ転職するというメソッドもあります。
?以前に実のところにあった例ですが、地方の大学医局で適度の責務を担っていた医者が、医局人事から離れて同県内の民間病院に転職するという事がありました。
その場合はかなり教授との話し合いの場を設けた結果、転職後も最初の数ヶ月の間は、月に何回か大学で講師として勤務する事で話がまとまりました。
?この例のように、単に医局との関連を断つという終わらせ方以外にも色々な解答があるといえます。
これは医局によって、そして医局を離れようとするドクターの状況や意向によっても異なるため、医局や関係者と十分に話し合って得心のいく解答を見つけていくことが望ましいといえます。
医局を辞める際の注意すべきポイント医師が転職を決心し医局を去ることを決めた場合、どういう機会で退局を切り出すか、?誰に如何に報告するかは非常にデリケートな問題です。
「すでに転職の決断が固まり、転職先も決まり、満を持して退職の意思を告げる」という段階と、?「転職しようと思うが、まだ明確決断したわけではない」という段階では段取りに大きな相違が?あります。
加えて、当然その医局の人間関連や力関係、伝統、直属の上司や教授の性格といった?ものも大きく影響するでしょう。
転職先の内定がすでに決まっている段階医局を去ると意思決定した以上、話はスピーディに、しかも確定的に進めてゆかなくてはなりません。
もし教授がものわかりのよい方ならば真っ先に教授に話し合いを持ちかけるのがベストです。
ただし、「医局を辞めようと思うのですが如何にでしょうか？」という折衝ではなく「医局を辞める決心を?したのですが、どんな感じで関連者に話を通すべきでしょうか？」といった切り出し方のほうが?望ましいと思われます。
一番目は慰留もされるでしょうが、転職の所以が前向きなものであり、?医師としての伸びるのために必須なものだという信念があれば教授を説得可能なはずです。
この「教授の懐に飛び込み、自身の理解者になってもらう」という戦法が成功すれば?「まず直属の上司に報告し、上司の面子を立てなさい」といった忠告がもらえるでしょう。
トップの内諾を得ておけば途中で話が潰される心配はありません。
ただし教授が強権的な方の事例は?「直属の上司を飛び超えて自らのところに来たのはけしからん」と怒らせてしまう事例があります。
あまり転職が差し迫ってからの報告は医局も嫌がらせします。
毎年の医局人事の吟味頃合?に入ってからでは遅すぎます。
少なくともそれより数ヶ月の猶予を持って早めに報告やりたいものです。
まだはっきりと決心しかねている段階「今後の事を一考すると転職すべきだと思う」「このままでは自らの未来が危ぶまれるので転職したい」?と心積もり、転職に際してもまだ情報収集をしている段階なら、仮に医局に相談をするのであれば直属の?上司が望ましいでしょう。
まだ転職先が決まっていない状況では、医局側は当然「引き止められる可能性がある」と決断し、?強烈な引き止め工作が始まるものと思われます。
「改善しなければ現実に転職を意思決定する」という趣旨を含めて上司と話し合ってみるのもよいかもしれません。
円満な退職が転職を成功させるポイントほとんどの医局は医師に辞められると困るわけですから利害は真っ向から対立しますが、たとえ厳格なことを言われても反発せず、ポイントコメントとして尊重し、できるだけ円満に退職するのが転職成功のコツです。
「どうせ辞めるのだから、この場合言いたい事を言ってやろう」などと考えず、円満に医局を去る事だけに集中しましょう。
